2016年11月23日水曜日

改めてMother Russia Bleedsについて

殴って蹴って掴んで投げる。
Le Cartelが贈る、薬物依存にされた4人のやばい奴らが敵対するやばい奴らをぼこぼこにする流血格闘ベルトアクション、Mother Russia Bleedsをそこそこやり込んだので振り返る。

公式トレイラー。
Hotline Miamiを意識すると、Devolver Digitalがパブリッシャーなのもちょっと面白いところ。

見た目の話をすると、描き込まれた背景に比べてキャラクターの絵が荒いということ。世界観に合っているといえばそうなので、好みが分かれそうなところ。全員白目なところとか。
加えてプレイヤーキャラのアニメーションが豊富な一方で、敵キャラについては申し訳程度のもの。ボスについても同様。
一方で細かいところに気を遣っていて、ダメージを与えるほど敵がぼろぼろになっていったり、歪みや光の当たり具合の表現も良好。
ステージ背景にHotline Miamiのキャラクターがいたりする。
 

操作についての特徴はXbox360コントローラをサポートし、ほぼすべてのボタンを使うというもの。パンチ、キック、ジャンプ、掴み、ステップ、吸収、回復、バーサーク、挑発。
パンチは敵を倒すまでダウンさせることなくヒットさせ続けられる。キックは一発で敵をダウンさせて距離を取る。敵を掴む、武器を拾う、投げるには専用の掴みボタンがある。
ベルトアクションで何故そこまで指先を使わせようとするのか、ボタンなんて3つもあれば十分だろうと思うこともあったけど、このすべてのボタンを使うという複雑な操作に慣れる更に面白くなってくる。
少ないながらも有効なパンチとキックを組み合わせた攻撃を見つけたり、掴むためのボタンがあることで誤って武器を拾うことがないと気付いたり、次に活かしたくなる。

敵を殴る音も暴力的な雰囲気に沿ったもので、与えたダメージによっては血が流れるような音が聞こえる。武器ごとに音も違うし、足音もシーンに合ったもの。
BGMも良好で、どろどろしたものから気分を盛り上げるものまで様々。サイケな方向かと思いきや重層なものも。BGMのループについても違和感なし。
ゲームモードはストーリーとアリーナの2つ。
ストーリーはチュートリアル + 全8ステージを攻略する。研究所や刑務所、ナイトクラブなどなんでもありな舞台で大乱闘。豊富な武器や仕掛けを駆使して敵を倒すべし。ベアナックルな演出、仕掛けもポイント。
プレイヤー全員が死んだらチェックポイントからやり直しで、このチェックポイントが微妙にわかりにくかったりする。到達したステージまで選択してプレイ開始できるので忙しい人も安心。
攻略する楽しみがある一方、ステージによってはお荷物がいたり、一部攻略法を問わずボスが弱いのが気になるところ。しかしそれらが全然大したことではないと思わせ、同時にこのモードの評価を一気に落とす問題はラスボスだったりする。
4人がネクロの支配から脱することができるかより遊ぶ側として、エンディングの条件を付けておきながら、気まぐれすぎるラスボスに嫌気がさすかの方が焦点になる。それ以外については、進めていて爽快。


アリーナモードは選択したステージでプレイヤーが死ぬまでひたすら敵を倒すというもの。ストーリーでステージをクリアすると、アリーナのステージも解放されていく。複雑な操作に慣れてきたら挑みたくなる、腕試しや限界を伸ばす立ち位置に感じる。
敵を全滅させると次のウェーブに進み、10まで進めれば両モードで使える薬が手に入る。吸収が早くなったり、敵を味方にできたり、バーサークの時間延長ができたり様々。
問題はウェーブ更新に対する難易度の上がり方で、確かに10まで到達すれば使える薬が増えてそれで満足するかもしれないが、そこまでがかなりしんどかったりする。どこまで行けるかを競うはずが、ウェーブ10達成がすべてになる人も少なくないのではと。
そして進めれば進めるほど問題になるこのゲームの特徴である、倒した敵が画面から消えないという点。死体の山を作るという点ではこのゲームにはぴったりかもしれないが、武器やダウンした敵が埋もれてしまう。更に進めていくとカクつくなど、進めるほど苛々する要素となっている。
同時に出てくる敵が増えてくると、ジャンプキックに終始する問題もある。
共通の問題として、やたらと画面が揺れること、リーダーボードに難易度やキャラクターなどの区切りがなく機能していないこと、未だに進行不能になるバグがあることが挙げられる。
更に、攻撃力が高いとされるプレイヤーキャラが大して強くない点。見た目に個性的な4人は能力差がスピード、ジャンプ、リーチに寄ってしまっている。勿論これら以外にも操作することでわかる大きな違いがあるが、攻撃力、防御力にはもっと幅を持たせていいはず。
オンラインCoopがないのも周りに同じゲームする人がいない身として悲しいところ。

たくさん文句を並べたけど貴重なベルトアクションで且つ夢中になれたし、Le Cartelの次回作もベルトアクションなら是非遊びたいと思うし、期待したい。

以下ストーリーとアリーナの動画。